TSUYOMI研究コラム 15
1.問いの提示
TSUYOMI診断は、良し悪しを判定するものなのでしょうか。
診断という形式をとる以上、結果に優劣や段階があると受け取られる可能性があります。しかし、TSUYOMIが強みそのものではなく、判断生成構造であるとすれば、そこに単純な評価軸を導入することは適切でしょうか。
TSUYOMI診断の位置づけを明確にしなければ、実務OSとしての意義は誤解されます。
2.通説の整理
多くの診断ツールは、評価を前提としています。
能力が高いか低いか、戦略が妥当かどうか、リーダーシップが強いか弱いかといった尺度に基づき、結果を点数化し、順位づけします。
この形式は、改善点を明確にする上では有効です。しかし、評価は常に基準を必要とします。その基準が固定的であれば、診断は規範的になります。
TSUYOMIの文脈では、判断生成構造に単一の正解があるとは限りません。環境や状況によって、適切な方向性は変わり得ます。
したがって、評価という枠組みをそのまま適用することには慎重である必要があります。
3.TSUYOMIからの再定義
TSUYOMI診断は、評価ではなく可視化です。
診断結果が示すのは、判断前提の方向性であって、優劣ではありません。ある方向性が特定の環境では有効であっても、別の環境では制約となる可能性があります。
したがって、TSUYOMI診断は、「良いTSUYOMI」「悪いTSUYOMI」を提示するものではなく、「どのような構造が働いているか」を示すものです。
評価を行うとすれば、それは環境との適合性に関する評価であって、構造そのものの価値判断ではありません。
TSUYOMIは規範ではなく、前提です。
4.実務への含意
実務においては、診断結果を自己肯定や自己否定の材料として用いるべきではありません。
重要なのは、診断結果が示す方向性を踏まえ、
- 現在の環境と整合しているか
- 将来の構想と一致しているか
- 揺らぎや違和はどこにあるか
を検討することです。
診断は、判断を縛るものではなく、判断を自覚化する装置です。
評価の枠組みから離れたとき、TSUYOMI診断はOSのインターフェースとして機能します。
5.未解決点の提示
もっとも、評価を完全に排除することは可能でしょうか。
実務では、最終的に選択が求められます。その際、どの構造がより適切かを判断しなければなりません。適合性の判断は、事実上の評価を伴います。
TSUYOMI診断と環境適合性の関係をどのように整理すべきでしょうか。
次回は、「TSUYOMI診断と再編」を扱い、診断が構造更新の契機となる条件を検討します。